BtoC自社サービスを開発するのはアイディアではなくお金が問題

IT系の知り合いの多くが、「受託から自社サービスへ」「BtoBからBtoCへの転換」が必要と口を揃えていってます。
けれど、集客や採算がとれていないサービスを含めても、実際に自社サービスを持っているところは極わずか。
 
でも、それって当たり前だと思うのです。
 

どちらかを選べといわれたら、継続をこちらでコントロールできない受託・BtoBビジネスよりも、裾野が広く安定収益になりそうな自社サービス・BtoCサービスをしたい。飲みの席で「やっぱりBtoCの自社サービスだよね!」という話になると「そうだよね!」「やっぱりそちらに取り組まないといけない」「今年、自社サービスに取り組むんです!」と盛り上がるのは、受託・BtoBビジネスで経営を成立させている多くの人が心のどこかで「このままではいけない」と危機感を持っているからなんだろうなと。
 
そりゃ、スタッフ打ち合わせで、「BtoCの自社サービスを作らないといけない!」といったら、みんな否とは言いません。「健康と不健康、どっちがいいか」とかを議論しているレベルと変わらない。
 

アイディア・やる気ではなくてお金の問題

けれど、自社サービスをつくるって意味、本当にわかってますか?と、昨日友人の愚痴を聞いてて思いました。
曰く、上司が、受託開発は数ヶ月かかるのに、自社サービスは降って湧いてきてくるようなものに思ってるに違いない言動しかしないとのこと。自社サービス開発期間中に受託開発続けて売上上げ続けるなんてできるかー!と。
 
うん、無理だと思う。同じ機能のものつくるにしても、受託開発は操作手順を指定できるけど、自社サービス(しかもBtoC)だったら例外操作が多いから、降って湧いてくるどころか、開発工数倍になったりするし。
 
そもそも論。自社サービスをつくるということは、受託事業時は採算部門だったところが、ごそっと不採算部門になるということなんですよね。例えば、90人日使って開発するなら、受託開発だったら180万円売上の売上を見逃すことができるか、という話(安めに3万円/1人日で計算しても)。
言い換えると、自社サービス開発メンバーは自社サービス開発期間中、売上が0になるわけです。2人3人でやっているような企業だと、その期間前・期間中にあった商談は断らざる得ないので、自社サービス開発が終わってからもすぐに受託開発に戻れるわけではありません。そりゃ、「数ヶ月間、自社サービス開発を待ってから発注します!」というクライアントだったらいいですが、まずいません。いたら紹介してください。一緒に仕事がしたい(笑)
 
となると、90人日使って開発すると、120日程度は不採算部門化を覚悟しないといけないわけです。
 
 
つまりは、自社サービス開発をしようと思うと、
 
・十分な貯蓄なり、前倒しで稼いだカネを使って開発する
・もしくは、その開発陣のコストを賄うような収益センターを持つ・収益センターになる
 
のどちらかの必要があるわけです。
 
百歩譲って「BtoCの自社サービスを作らないといけない!」といってるのが、開発陣だとしたら、相当なドMということで、その友人にも同情します。自分自身も受託開発をこなしながら自社開発する覚悟があるなら、まぁ、スタッフにそれを押し付けるなとも思うけど、勉強にはなるんじゃないかな(引きながら)。
ストレス半端ないから、胃薬だけ買っておけ、というぐらいで。
 
けれど、開発陣以外の人が言い出すとしたら、「その開発期間中、コストセンター分も含めて稼ぎだしてくれるんだよね」というだけの話。そうじゃないなら話にならないし「健康と不健康のどちらがいいか」「健康だ!」なんて次元で話しているなら、赤信号のともるプロジェクトになるのは間違いないです。
 
 
BtoC自社サービスに取り組む時は、ぜひともコストのことを考えていただければと思います。
 
それでは、また。

お問い合わせ