「家呑みと費用徴収」の法的視点について|副業と飲食店営業許可について考える

ちょっと昨日、「家呑みと費用徴収」について調べたので簡単にまとめておきます。
私は法的な専門家ではなく、ネット上の情報と、あとは少々かじった知識で書いてるので、間違ってる可能性もあります。その場合、Twitterででもご指摘いただけましたら、加筆修正いたしますので、ぜひご連絡くださいませ。

家呑みはどこまでがプライベートか

「大学時代、友人の家でみんなで鍋をつつきながら飲み会をした」という経験は多くの方があるかと思います。
みんなで買い物して、料理が得意な人がキッチンに立ち、食費は折半。まぁ、光熱水費があるので家主は無料かなー、というのがよくあるスタイルかと思います。
 
で、ちょっと主宰者が慣れてくると、事前準備をしっかりする代わりに多めに食費を徴収したり。聞いた話だと、自宅を合コン会場にして、飲食費でボロ儲けしてる人もいるとか。
 
ただ、そこでちょっと気にする方も多いのではないでしょうか。

  • 1. どれだけ儲けたら所得になるのか
  • 2. おうちカフェ的だけど、飲食店営業許可取得は・・・?

家呑みで税務申告しないといけないほど儲ける人というと大変稀で、ましては「飲食店営業許可」ってそんなオーバーな?!という方がほとんどかと思いますが、どこが分岐点になるかを把握することは非常に重要かと思います。私はありがたいことに経験はないのですが、「ホームパーティに金とるの?!」「それって副業じゃないの?!?!」と食後にいちゃもんをつけてくる方が全国一定数いらっしゃるらしく、まぁ何事にも対策は大切かと思います。
 

どれだけ儲けたら所得になるのか

「どれだけ儲けたら所得になるのか」というタイトルをつけておいて恐縮なのですが、税務上「副業」とかいう分類はなく、金額によらずに利益をだしたらそれは所得としてみなされます。
家呑みじゃなくて、飲み会幹事をして端数を懐に入れてたら・・・とか言い出すとせこい話ですが、それも大規模になって一回数万円の儲けがでるなら、税務署に申告しなければなりません。
 
と杓子定規なことはとりあえず置いておいて、まず家呑みの開催によって生計を成立させている場合、その所得は税務上「事業所得」となります。家呑みによって生計を立てていない場合は、その利益は「雑所得」に分類されます。雑所得については、給与所得とは別に「給与所得者にある確定申告の宥恕規定」というのがありまして、簡単にいうと、雑収入20万円以下なら申告は必要ないよという規定があります。ですので、この範囲なら税務申告は必要ありません。
 
もっと細かく書くと、雑所得が20万円以下なので、株で11万円儲けて、家呑みで10万円儲けたら申告が必要、とかになるのですが、そこまでいってる人は税務申告をしっかり調べてください。ちなみに、給与所得者でない場合(専業主婦とか)の場合は、基礎控除がありますので38万円までは申告不要です。
 
ですので、「お前、副業じゃねーか」とか言い出す厄介な人には、雑所得が年間20万円に届いていないので税務的手続きは必要ないし、生業としてもかんけーねーよと伝えて下さい。
利益が年間20万って、原価率が50%(飲食店並)に抑えたとして、売上40万円。1人あたり5千円を徴収したとしても、延べ人数が80人となって、一般家庭で1回あたりの飲み会をコンスタントに8人集めたとしても年間8回(ほぼ毎月ペース)で開催しないといけない、というか、それはもう趣味じゃなくて、生業・・・。
 

飲食店営業許可は要らないの?

近年、「おうちカフェ」とかの流行もあって、「自宅を改装して飲食店に」と簡単にいう人もいますが、まず飲食店営業許可ってめっちゃ面倒なものです。

  • キッチンには二槽式シンク
  • かつ、床は水掃除できるように。当然排水口も必要だよ!
  • あ、従業員の手洗いスペースは、皿洗い・調理用シンクとは別に用意してね
  • キッチンと客席はカウンターなどでちゃんと分けてね。別室でもいいよ
  • 生活用キッチンと業務用キッチンは分けてね。業務用キッチンで生活用の料理しちゃだめよ

とかとか。書き出すのが面倒なほど規定がありますので、上記ですらごく一部です。まぁ、つまりは百万円ぐらいでの改装じゃ無理です。自宅を改装するのに最低500万円ぐらいかかります。それなら居抜き物件を借りて改装した方がよっぽど安い・・・。
 
ちなみに、無許可営業をした場合は懲役2年以下or200万円以下の罰金。
「いやいや、友だちとその友だち相手だし、飲食店じゃねーよ」という言葉も聞いたことがありますが、それだったら一見さんお断りのお店は飲食店じゃないのかという話になりますよね。当然ながら飲食店です。
 
ここの「飲食店営業許可」が必要なのか不要なのかの境目が、なかなかに面倒です。というのは、管轄が都道府県なので、都道府県毎に見解がそれぞれ異なるという・・・。
 
で、いろいろ調べてみたところ、みずほ中央法律事務所の見解が一番参考になりました。
 
「飲食店営業許可」が必要か否かについて画一的な判断基準はなく、その行為が反復継続の意思を持っているかどうかを総合的にみた上で判断されるとのことです。
反復継続の意思の基準としては

  • ユーザー(飲食社)は知り合いだけ – 否定
  • 公募=不特定多数への勧誘 – 肯定
  • ユーザーの負担金が実費程度(低い) – 否定
  • ユーザーの負担金が作業対価を含む(高い) – 肯定
  • 飲食以外の『主目的』がある – 否定

該当項目で否定の方が強ければ、「飲食店営業許可」は不要であり、肯定が強ければ必要であるという見方です。
 
これは私の私見ですが、例えば「不定期に、友だちとその知り合いだけを誘って登山にいって、帰りに近所にある自宅で利益率の高い食事を提供する」だと、飲食以外の主目的の否定が強いので「飲食店営業許可」は不要ではないでしょうか。
 
反面、「毎週末(実質的な反復行為)に、友だちとその知り合いだけを誘って、利益率の高い家呑みをしている」場合は「飲食店営業許可」が必要という見方ができます。というか、このシチュエーションだと、自宅で開催してるというだけで、週末のみ営業している一見さんお断りのお店ですね。
真っ黒なのは、「お客さんをネットで公募して、毎週宅飲みを開催してる」とかですね。まっくろくろすけ。
 

まとめ

ぶっちゃけた話、プライベート空間での出来事なので、税務署であったり保健所であったりに補足されるかどうかは別問題だったりするのですが、そうとはいえ、今、自分がやっていることが法的にどういう位置づけなのか、ということは理解しておくべきです。また、それがプライベートからはみでてpublicになるタイミングはどこにあるか、というところもぜひ把握しておいていただけましたらー。
 
また、これを書いてて、調理するという行為を「家政婦的な労務提供」として位置づけることによって「飲食店営業許可」から逃げきれないかなーとも思っているのですが、ここらへんの見解について専門家のご意見を @sakaki002 までいただけると嬉しいです。
 
それでは、また。

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