[UI,UX勉強会レポ] UI,UXデザイナーに丸投げするな!

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先日の「UI,UX勉強会」のまとめを書いておきます。この記事は、関西フロントエンドUG Advent Calendar 2015の2日目の記事です。(以前公開した記事の加筆修正記事となります)

「よくわかる UX と UI の話 2015(仮)」

Kazuki Yamashitaさんのセッション。UI, UXという「単語だけが一人歩きしている概念」を分解してみていこうという基調講演的セッションでした。
 
まず、UIとUXという概念は業界でも「同じものである」を提唱する人と「似て非なる存在」と提唱する人(UI/UX言うな論争)がいるそうです。
「同じものである」と提唱する人は、「UXはUIの上に成り立つものであって、単独では存在しない」ということ前提で、「似て非なる存在」という人は「そもそも別の概念が近接するから同じだというのは乱暴だ」という論調らしいです。
 
セッションの中では、「UIは設計品質」「UXは利用品質」であるとまとめられていました。良い設計が、良い利用シーンを作り出すとは限らないのと同様に、良いUIは良いUXであると限らないという点で、別物として取り扱うのが自然だなぁと思いました。

UX概論

UX話で一番おもしろかったのが、UXが時間軸で評価されるということです。UXは商品利用による経験・体験を指しますが、この経験・体験というのは細かくみていくと、「商品を使う前の期待」「商品を使いはじめる」「商品を使いこなす」「使用後の記憶」というように分類することができて、そのひとつずつを設計していくのがUX設計だという考え方です。
iphoneが、「商品が届いて蓋を開けた瞬間の体験」を重視してパッケージデザインに力を入れてるというのは有名な話ですが、こういうのをペルソナレベルに沿って考えていくのがUXといわれて、なるほどと思いました。

UI概論

こちらは、よく語られるグラフィックデザインがスタートラインという話でした。
近接・整列・強調・整列・コントラスト・反復というようなデザインの基礎の上に成り立ち、またユーザの行動をどのように設計するか(ここをクリックして欲しいから、クリックしやすく強調する)といったことからUIははじまるよねと。

まとめ

最初の「UI, UXは同じものか、似て非なるものか」議論と、それぞれの概論をみてみると、同じように語るものではないなというのが感想です。全体の設計思想としては、イベントに近くて、例えばライブを企画するとして、そのライブに参加してくれたお客さんの満足度・体験(UX)は、コンテンツの質だけではなく、UI(動線設計や、スタッフの質、空調、照明、音響)によって大きく変わるものだけど、それは似て非なる存在だからそれぞれをしっかりと設計していかなければいいイベントにはならない。
webも同様で、UI,UXを一緒に語るよりも、まずこの2つを細分化する。そして、更にUXを時系列で細かく設計する。UIをデザインの原則を叩き台に細かく設計する、という「丁寧さ」が議論に必要だと感じた次第です。

「ヒューマンエラー軽減のためのエラーメッセージデザイン」

(ざっくばらんにいうと)、エラーメッセージの重要性を見なおそう、という内容でした。それが、UIなり、UXに大きく紐付くところだから、適当なままではいけませんよ、と。
 
昔からPCをさわってる人は、おそろしく意味のわからないエラーメッセージに出会ってきたと思います。「システムエラーが起きました。エラー番号:E-102」とか、「不正な処理が行われました」というのはエラーメッセージとして無価値であるという。
 
本来はエラーメッセージというのは、処理が進まないことを明示してその回復方法を明示するものなので、必ず「何が起きた」かと「正常に処理を進めるためにはどうしたらいいか」をセットで出さないと一気に無価値になるという話でした。なるほど、そりゃそうですね・・・。
「エラーメッセージは対話であるべき」「ユーザはうまくいった20回よりも問題のあった1回の方が遥かに印象深い(から、その問題から早期に復帰するためのメッセージをだすことがUX設計上重要である)」という多くの名言が生まれたセッションでした。
 
今までエラーメッセージって開発中についでで考えて短文を表示していましたが、ちゃんと原因と結果とどういうメッセージを出すかとかをExcelとかで表示した方がいいですね・・・。
 

UI,UXデザイナーに丸投げするな!

UI,UXデザイナーを募集する時に、何のスキルマップを要求しますか??
クリエイティブ系 UI・UXデザインの求人情報一覧などをみると、須く「UI,UXを踏まえることができるデザイナー」を求人しています。
 
しかしながら、この日のセッションで感じたのは、UI,UXのどちらもが理論ベースで成立しておりまして、そこにレイアウトデザインが乗っかるという構造です。つまり、極論をいってしまうと、UI,UXを設計するのはデザイナーである必要はなく、大切なのはすばらしいデザインセンスよりも、「徹底して考える」ということに尽きると思いました。
 
そういう意味では、デザインという言葉の意味が広すぎて混乱させてる気がします。なんかここ最近「デザイン」というと、設計もだし、コミュニティも、ディレクションも、何でもかんでも「デザイン」というのが流行っています。
しかしながら、本来、UI,UXはディレクターの領域で、UI,UXディレクションというのが正しいのではないのでしょうか。
 
とすれば、ディレクターはデザイナーに「UI,UXを勉強しろ!」「それがわかるデザイナーはどこにいるんだ!」というのではなく、ディレクター自身がしっかりUI,UXを勉強して、その知見ベースにデザイナーを(業務最適化的に)育成するのが正しいあり方ではないかと思っています。 
 
それでは、また。

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